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文具ライター小日向 京さんの【付箋生活】。「ひらめきの道具」付箋で気づいたこととは?

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小日向 京

子どものころ、お気に入りの消しゴムやをえんぴつを、かわいい筆箱に入れて持っていたマチュア世代のみなさんも多いのではないでしょうか。文字と文房具に並々ならぬ関心と愛情をもつ、文具ライターの小日向 京さんに、文房具について語っていただきます。なつかしい文房具にほっこり。そして新しい世界が広がります!

私たちの暮らしにとけ込む、付箋。

いつもどこかしらに何かしらのサイズの付箋が「そのあたりに」あって、パッと書き、ペタッと貼り、サッと読み返すことができます。

いまや付箋のない生活は想像できない、と思う次第です。

付箋誕生の謂れは、以下の通りです。
(参考:3Mウェブサイト「ポスト・イット® ブランドについて」)

◆3Mの科学者、スペンサー・シルバーが「粘着性はあるものの、はがすことが可能な接着剤」を研究過程で発見した
◆用途が思い当たらず、あらゆる人たちに使い途がないかと訊ねてまわり、5年が経過した
◆3Mのもうひとりの科学者、アート・フライは教会の聖歌隊メンバーで、礼拝で歌う讃美歌のページに紙片を挟み目印にしていた
◆讃美歌の本を開くとその紙片がハラリと落ち、アート・フライは「あの接着剤をこれに使えばいいのだ」とひらめいた
◆スペンサー・シルバーとアート・フライは2人で製品開発をはじめた
◆その過程で、「これはたんなるしおりとしてだけではなく、メモ・ノートとしてコミュニケーションに役立つ道具になるのでは」となった
◆1977年の米国でのテスト販売を経て、1980年に「ポスト・イット® ノート」を全米発売
◆日本では1981年に発売される

このようにして、私たちの付箋生活は1980年代にはじまりました。
この誕生経緯に胸が熱くなります。

・本来ならば「接着剤としては不完全」であるものの使途の模索を諦めなかった
・実体験からのひらめきが開発につながった
・その開発から、さらなる使途の展開が生まれた

この「諦めない」「ひらめく」「展開させる」という点に感動します。
付箋を1枚手にするたび、自分もそうありたいと思うものです。

さて、現在あらゆるサイズが世に数多ある付箋ですが、自分に合うのはどのサイズだろう? どんな風に使うのが良いだろう? と考えをめぐらせるのもまた楽しい時間です。

たとえば、絶対に忘れてはならないことは、絶対に目にするところに貼るのが良いようです。

スマートフォンはよく手に取ることになる=思い出す、という狙いです。

「何によく付箋を使うか」を、自分に当てはめて使用サイズとともに挙げると、以下のようでした。

①誰かにメッセージを書いて渡す:幅75mm×長さ75mmの正方形タイプ
②自分用のメモや考えごと、キーワードを書いて貼っておく:同上
➂本や雑誌を読んでいてしおりにする:幅50mm×長さ75mmの長方形タイプ
④手帳などにちょっとした覚書を書いて貼る:同上
➄仕事で数行メモを書いて目印をつける:幅25mm×長さ75mmの短冊タイプ
⑥仕事での少しのメモを書いて目印をつける:幅15mm×長さ50mmの小型タイプ
⑦本や雑誌を読んでいて重要箇所に目印をつける:幅7.5mm×長さ25mmの極小タイプ

というのが、ぱっと思いつく用途とサイズです。
これらは、寸法に共通点があるため、組み合わせて使うのに好都合です。

75mm正方形付箋

まず、①②に使う正方形タイプに……

75mmの上に50mmと25mmをのせたところ

④と⑤がぴったりのせられます。
そして、

さらに小さいものを上にのせたところ

⑥と⑦ですら、うまいこと重なる予感しかなく。

小さいものをすべて上にのせきったところ

並べたところ、きっちりすべてが75mm四方におさまりました。
これには爽快な気持ちになります。このままオブジェとして飾っておきたい。そしてもっと積み重ねたい!

サイズが合うと、持ち運びする時にも収納しやすくなりますし、そのことによって考えも整う気持ちがします。

皆さんもすでに付箋は活用なさっているはず。ふだんよく使うサイズにいつもとはちょっと違うサイズを試してみると、また新たな気づきがあるかも知れません。

筆者が少し前にSNSにも投稿した「気づき」は、こちらでした。

小さい付箋をホチキス針のケースに入れたところ

➆の極小タイプがなんと、ステープラーの10号針とほぼ同サイズ。
マックス針の箱が、極小サイズを持ち歩くのに絶好ではないか! と嬉しくなりました。

付箋は「ひらめきの道具」であるからこそ、付箋そのものが人にひらめきを促してくれるのかも知れません。

日々の付箋使いをますます充実させてまいりましょう。

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