私らしく生きる 50代からのマチュア世代に

人気記事ランキング 連載・特集

勉強する私をじゃまする夫。どうすればいい? 坂東眞理子さんのすっきり人生相談

公開日

更新日

ゆうゆう編集部

相談②
ついに始まった親の介護。私にできることは何?

コロナ禍で、気づいたら実家に2年ほど帰っていませんでした。先日父から電話があり、母が「初期認知症と診断された、通院している」と聞いてびっくり! まだ77歳なのに! 実家までは2時間半ほどかかるので、母の通院に毎回つき添うのは無理ですが、父が共倒れしないように、私にできることは何でしょうか?(52歳・業務委託)

短くていいのでマメに電話をしてお父さまの心のケアを

レスパイトケアで負担軽減

娘にしてみれば「まだ70代なのに」とショックですよね。でも、初期認知症であれば日常生活にはそんなに不自由はないはず。少しでも進行を遅らせられるよういろいろな対応が可能だと思いますから、絶望しないでください。

大事なのは、周りの人たちができるだけ本人のサポートをすること。「認知症なんだから何もしないでいい」と言っていると、どんどん症状が悪化してしまうかもしれません。排除しようとせず、本人ができることはやってもらうように応援を心がけてください。

また、相談者も心配しているとおり、お父さんが共倒れしないように支えてあげることも重要。介護者であるお父さんにはレスパイトケア=介護の息抜きが必要です。お父さんに心身を休めてもらうためにも1、2カ月に1回程度は相談者が実家に行き、介護を交代する。そうしてお父さんを支えることが、今、相談者にできる最大のサポートだと思います。

男性の介護者は「大丈夫、何とかなっているから」などと言いがちですが、ひとりで抱え込んで内心は疲弊しているはず。お父さんに任せきりにせず、「私は気にしているよ」「いざとなったら何でも言ってちょうだいね」と何度も伝えておくことも大事です。

そして、お母さんとお父さんには短時間でもいいのでマメに電話してあげましょう。電話で話すだけでも刺激になるので、認知症の進行を遅らせるうえでも有効です。また、情報量が多くなれば刺激も増えますから、LINEなどのビデオ通話が使えるようなら、ぜひビデオ通話で。「元気にしてる?」「大変だけど頑張ってね」、そんな電話も十分サポートになります。

孤独になりがちな「男性介護者」への対応

女性は友人に愚痴をこぼしたり、同じような境遇の人と共感し合ったりできるが、男性は「大丈夫」と我慢して孤立感を覚えてしまう人も多い。施設のショートステイを利用する、介護保険でヘルパーを派遣してもらうなど、福祉サービスを活用し、男性介護者の休息の時間を確保することが重要。

※この記事は「ゆうゆう」2023年10月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。

女性の覚悟

坂東眞理子著
主婦の友社刊

「50代、60代はまだまだ若い。可能性はいくらでもある。けれど責任をもって生きていくという覚悟が必要です」という坂東さんのエールがぎゅっと詰まった一冊。すぐにも実行できる、しなやかに人生を生き抜くための方法やヒントがいっぱいです。

詳細はこちら
この記事の執筆者

PICK UP 編集部ピックアップ