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【ブギウギ】羽鳥を演じる草彅剛の宇宙のような存在感に目を奪われる。その軽やかさは異質だ!

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田幸和歌子

1日の楽しみは、朝ドラから! 数々のドラマコラム執筆を手がけている、エンタメライター田幸和歌子さんに、NHK連続テレビ小説、通称朝ドラの楽しみ方を毎週、語っていただきます。毎朝元気をもらえる作品になりそうな「ブギウギ」で、より深く、朝ドラの世界へ!

【ブギウギ】羽鳥を演じる草彅剛の宇宙のような存在感に目を奪われる。その軽やかさは異質だ!

「ブギウギ」第29回より(C)NHK

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足立紳・櫻井剛脚本×趣里主演のNHK連続テレビ小説(通称「朝ドラ」)『ブギウギ』の第6週「バドジズってなんや?」が放送された。

初見では不思議に思えた言葉「バドジズ」だが、週終わりにはおそらくほとんどの視聴者が「バドジズデジドダ~」と口ずさんでいたことだろう。このクセになる響きとリズム、メロディーの中毒性は凄まじい。

演出家・松永大星(新納慎也)のスカウトにより、東京に新設される梅丸楽劇団に入団することになったスズ子(趣里)と秋山(伊原六花)のレッスンの日々が始まる。

もともとスポ根的空気のある本作において、今週は特に才能が覚醒するワクワク展開だった。そのワクワクを生み出しているのは、作曲家・羽鳥善一を演じる草彅剛とスズ子を演じる趣里の才能のぶつかり合いだ。

スズ子との初顔合わせで歌声を聴いた羽鳥は、レッスン初日、いきなり曲を書き直してくる。スズ子という歌い手を得たことで、新たなイメージが湧いてきたためだろう。

となると、むしろハードルが上がっていくのも、スポコン的お約束。何度歌っても、「楽しくないなあ」と一蹴、具体的な指示もなく、歌の出だしだけで500回以上繰り返し歌わせる。しかも、怖いのは、怒鳴るわけでもなく、笑顔の鬼だということ。

どうしたら良いかわからず、行き詰まるスズ子に、松永はアドバイスを与える。松永がスカウトした理由「歌う喜びに満ちている」スズ子が、厳しいレッスンのせいで「今は大嫌いになりそうです、歌も羽鳥先生も」と語ると、「それでいいんじゃないか」「その気持ちで歌えば」と言う。

スズ子は覚悟を決めて羽鳥の自宅を訪ね、レッスンを懇願すると、妻・麻里(市川実和子)が招き入れてくれ、レッスンがスタート。しかし、スズ子はすぐに歌わず、松永からのアドバイスを思い出しながら、怒りを溜め込み、爆発させる。

怒り顔から歌い始めたスズ子に、羽鳥は一瞬目を見開き、にやりとして、笑顔で頷く。

USK(梅丸少女歌劇団)で磨かれた、整った美しい歌声ではなく、スズ子が憧れ追いかけてきた第二の大和礼子(蒼井優)でもなく、小さく華奢な体にとどめてきた思いが爆発し、一気に周り中に流れ出すような激しく熱く躍動的な歌声とダンス。

「どうしちゃったの? なんかちょっとだけジャズっぽくなったじゃない」。羽鳥の目が輝き、スズ子は言う。

「なんやわからんけど、先生殺したるって気持ちで。殺しまへんけど」。その言葉も凄いが、さらに狂気を感じるのは、驚きもせずに「そうか。じゃあもっと殺す気持ちで」と促す羽鳥。

そんな才能溢れる「笑顔の鬼」も、実は音楽以外は何もできないこと、上京してやりたい音楽ができず、塞ぎ込んでいたことを、スズ子は麻里から聞く。そんな中、ようやくやりたいことができるきっかけをつかんだのが、スズ子との出会いだったのだ。

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