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【ブギウギ】危篤の母の前でスズ子が歌ったのは『恋は優し野辺の花よ』だった。このセレクトは実に良い

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田幸和歌子

1日の楽しみは、朝ドラから! 数々のドラマコラム執筆を手がけている、エンタメライター田幸和歌子さんに、NHK連続テレビ小説、通称朝ドラの楽しみ方を毎週、語っていただきます。毎朝元気をもらえる作品になりそうな「ブギウギ」で、より深く、朝ドラの世界へ!

【ブギウギ】危篤の母の前でスズ子が歌ったのは『恋は優し野辺の花よ』だった。このセレクトは実に良い

「ブギウギ」第39回より(C)NHK

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【ブギウギ】スズ子が恋に落ちた描写がなく戸惑ったが、おそらく一番わかっていないのはスズ子自身だろう

趣里主演の109作目のNHK連続テレビ小説(通称「朝ドラ」)『ブギウギ』の第8週「ワテのお母ちゃん」が放送された。

第二次世界大戦が始まろうとする中、日本にも戦争の足音が忍び寄る中、お母ちゃんは逝き、弟が出征した。

ツヤ(水川あさみ)の病状は悪化していたが、お金を心配するツヤは大きい病院に行かず、衰弱していく。

そんな中、六郎(黒崎煌代)に赤紙が届き、無邪気に喜ぶ六郎の姿にツヤは複雑そうな表情を見せながらも、すごいと褒める。

しかし、専門医の往診により、ツヤがもう長くないことが告げられ、受け入れられない梅吉(柳葉敏郎)は、はしゃぐ六郎を大きな声で叱りつける。

出征を前に、六郎は軍隊に行ったらどん臭いのは卒業するとツヤに言うが、ツヤは六郎は鈍臭くなんかない、みんなも自分も本当は六郎のように正直で素直に生きたいのだと伝える。

子どものように甘える六郎に、ツヤは嬉しそうな表情を見せる。だが、これはツヤを心配させまいとする六郎の精一杯の強がりだった。

出征の日、「行ってまいります」は戻ってくるようだから「行きます」の方が良いと言われ、「行きます」と言い直した六郎は、スズ子(趣里)のもとに向かう。

そして、上京の理由を問われると、入隊したらいつ会えるかわからないからと、赤紙を見せる。

そこで六郎は、本当は入隊してまたバカにされるかもしれなくて不安だと打ち明ける。死ぬことが怖い、死ぬのは嫌だとも。翌朝、六郎は「行ってまいります」という約束の言葉を交わし、出征していく。

しばらくした頃、スズ子に大阪から電報が届く。それはツヤの危篤の報せだった。公演真っ只中で葛藤するスズ子は、羽鳥(草彅剛)の言葉「むしろ自分の苦しい心持を味方にして、いつもよりいい歌だなんて言われるくらいじゃなきゃ僕はダメだと思う」により、公演を続けることを決意。

しかし、公演を終えて大阪に戻ったスズ子が見たのは、衰弱したツヤの姿だった。アホのおっちゃん(岡部たかし)はゴンベエ(宇野祥平)がかつて風邪のスズ子にそうしたように、ツヤに食べさせようと桃を見つけて来る。

すると、翌朝信じられない光景が。ツヤが番台に元気に立っていたのだ。あまりにツヤツヤ元気なために、もしやすでにツヤは亡くなっており、これはスズ子の夢なのではないかと怖くなった視聴者もいただろう。

しかし、ツヤは本当に元気だった。これは桃のおかげというより、本当はスズ子帰省により、気力で一時的に持ち直したのだろう。しかし、ツヤの奇跡はほどなく消え、番台で倒れてしまう。

母が危篤でも歌を優先した自分を「どアホ」と責めるスズ子に、ツヤは言う。「どアホで上等や。さすがわての子や」と言うツヤ。もっと歌が聴きたかったというツヤの命をこの世に引き止めるためから歌おうとしないスズ子と、歌ってやれと言い、苦痛から解放する梅吉。

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