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【ブギウギ】何よりホッとするのは羽鳥夫婦(草彅剛、市川実和子)や茨田りつ子(菊地凛子)が出てくる場面だ

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田幸和歌子

1日の楽しみは、朝ドラから! 数々のドラマコラム執筆を手がけている、エンタメライター田幸和歌子さんに、NHK連続テレビ小説、通称朝ドラの楽しみ方を毎週、語っていただきます。毎朝元気をもらえる作品になりそうな「ブギウギ」で、より深く、朝ドラの世界へ!

【ブギウギ】何よりホッとするのは羽鳥夫婦(草彅剛、市川実和子)や茨田りつ子(菊地凛子)が出てくる場面だ

「ブギウギ」第60回より(C)NHK

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【ブギウギ】週ごとに色味をくるくる変える本作。絶望の中立ち上がるスズ子という、壮絶だった前週に比べ、恋愛パートに駆け足

趣里主演のNHK連続テレビ小説(通称「朝ドラ」)『ブギウギ』の第12週「あなたのスズ子」が放送された。

今週は「戦争」と「日常」、そして「恋愛」が描かれた。

愛助(水上恒司)は戦時下でスズ子(趣里)と恋愛して良いのか悩み、それを聞いたスズ子は自分の気持ちを伝え、愛助の答えを尊重すると伝える。

愛助は母・トミ(小雪)からの手紙を機に、改めてスズ子に告白。2人は付き合うことになり、楽団のメンバーたちも祝福する。

「福来スズ子とその楽団」は地方巡業を続けるが、財政難は続く中、マネージャー・五木(村上新悟)と村山興業東京支社長の坂口(黒田有)が密会。坂口は愛助とスズ子を別れさせるために五木にカネを渡す。

ある日、五木のもとにナツ(香川ハル)が来る。五木は実はナツに金を工面しているのだと打ち明けると、翌日、置手紙と坂口から受け取った手切れ金の一部だけを残し、姿をくらましてしまう。後任のマネージャーを探すスズ子に、愛助は村山興業を退社した山下(近藤芳正)を紹介。

しかし、それらがトミに知られると、スズ子と愛助は呼び出され、対面することに。トミは「村山興業の跡継ぎになる人間だす。そのことを重々ご理解下さい」と言い、2人にその後を託して去る。それはトミから別れろという警告だとスズ子は理解するが、愛助は改めてスズ子に自身の気持ちを伝える。だが、東京にも空襲警報が鳴り響き、愛助の体調に異変が起こる。

さて、今週は先週に引き続き、気になることがいろいろあった。

まず恋のお相手・「子供の頃から病弱」なはずの愛助が、誰より健康体に見えること。唐突に咳を2回ほどした描写が挟まることで、より一層子供の仮病のように見える。キスの後の突然の吐血を見て「本当に悪かったんだ」と驚いたくらいだ。

朝ドラは多くの視聴者が観るものであるだけに、医療監修は特定の病気を連想させる描写を避けることも多い。それにしても、後に肺結核が発覚するらしいお相手が、ここまでツヤツヤピカピカの健康な男性に見える必要がはたしてあったのか。

そして、小夜(富田望生)や五木(村上新悟)、坂口(黒田有)の過剰なコテコテ芝居。虚実を描くのが『ブギウギ』だけに、現実が悲惨になればなるほど、こうしたコテコテ芝居の「虚」を織り交ぜて質感を軽く明るくしようという意図があるのかもしれないし、制作統括は各種インタビューで何度も「戦争を暗く描かない」「明るく描く」狙いを強調している。

もちろん現実に世界のあちこちで戦争が起きている今だからこそ、戦争の悲惨さをドラマで見たくない人もいるだろう。空襲中のトイレや、「大」かという愛助の素朴な問いと、ホッとしてからの愛助の爆笑なんてことも、戦時下の「日常」の中ではどこかであったのではないかとは思われる。

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