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【ブギウギ】羽鳥(草彅剛)の台詞「ドキドキじゃない。ズキズキなんだよ!」は、名場面となるだろう

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田幸和歌子

1日の楽しみは、朝ドラから! 数々のドラマコラム執筆を手がけている、エンタメライター田幸和歌子さんに、NHK連続テレビ小説、通称朝ドラの楽しみ方を毎週、語っていただきます。毎朝元気をもらえる作品になりそうな「ブギウギ」で、より深く、朝ドラの世界へ!

【ブギウギ】羽鳥(草彅剛)の台詞「ドキドキじゃない。ズキズキなんだよ!」は、名場面となるだろう

「ブギウギ」第91回より(C)NHK

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【ブギウギ】「あんたと一緒に生きるで」愛助から愛子へ “あんた”の見事な交代劇が描かれる

趣里主演のNHK連続テレビ小説(通称「朝ドラ」)『ブギウギ』の第19週「東京ブギウギ」が放送された。

そう、このドラマのモデルで“ブギの女王”と呼ばれた歌手・笠置シズ子の象徴のようなこの曲が、ついに完成する。

本作は思っていたよりも展開がゆっくりで、終戦からしばらくたつもののなかなかブギを歌わないスズ子。どこか『マッサン』のウイスキーがいつできるのか待っていたように、いつブギを歌い始めるんだろうという部分はあった。

いろいろなエピソードをじっくり描きたいのだろう、愛助との別れの時間も湖畔への旅行、そして離れてからの手紙のやりとりなど、大きく時間を割いて描かれていた。

ところが19週は一転してハイペースで物語が進んでいく。まずは月曜日。愛助(水上恒司)を失った余韻が残る中現れたのは、愛助の母・トミ(小雪)。一部で“ラスボス”と呼ばれたりするなど、ふたりの前に大きく立ちはだかるような存在だったトミは、「おばあちゃんやで」と愛子に微笑み、「愛助と同じ顔して寝てるわ」「つらかったやろ?」と、これまでのド迫力が嘘のようなおだやかな表情でスズ子に語りかける。「ワテは間違うてたんやろか?」と自問する日々だと言い、最後には「ほんまはワテもあんさんのファンやねん」と告白するトミのデレ化がすごい。

水曜日には生死不明のような状態だった父・梅吉(柳葉敏郎)の突然の再登場には驚かされた。「生きとったんか?」と能天気な様子に、それを言いたいのはこっちだよとなるが、梅吉との久しぶりの会話もまた、スズ子の気持ちをほぐしてくれていた。ちなみに梅吉との会話で、おっちゃんの屋台の閉店、下宿屋のチズと吾郎は行方知れずと会話で説明する。屋台を閉めるエピソードはあったが、チズ夫妻のことは分からなかったので、梅吉の現在も含めて現在地を盛り込んだような印象だった。

トミ、梅吉、それぞれのエピソードを1話ずつで終わらせるという、ここ数週のゆったりペースから一転、早いテンポで物語は進む。これまでのテンポからすると、サブタイトルに「東京ブギウギ」とあるものの、完成は金曜後半で実際の披露は次週第20週に持ち越すのかなとも思っていた。

今週のテーマは、おそらく“スズ子の再起”。愛助の死からの再起、そして歌手としての再起。ついに再び歌うことを決意したスズ子は、羽鳥(草彅剛)に曲を依頼する。スズ子からの初めての依頼に驚くとともに大喜びの羽鳥は最高の曲をつくろうと気合いも入るが、それだけになかなかアイデアが浮かばない。スズ子の再起……それを考える羽鳥は電車の車内でつかれきった乗客たちの表情を見て、再起をはからなければならないのはスズ子だけではなく、日本そのものなのではないか。そう思った羽鳥にリズムとメロディが降りてくる。大興奮で駆け込んだカフェの紙ナプキンに音符を書き殴る。

「これは福来君の復興ソングであると同時に、日本の復興ソングでもあるんだ!」

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