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【ブギウギ】野生のパワーを力強く歌い踊るスズ子(趣里)。歌の力は、やはり強かった

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田幸和歌子

1日の楽しみは、朝ドラから! 数々のドラマコラム執筆を手がけている、エンタメライター田幸和歌子さんに、NHK連続テレビ小説、通称朝ドラの楽しみ方を毎週、語っていただきます。毎朝、スズ子に元気をもらえる作品「ブギウギ」で、より深く、朝ドラの世界へ!

【ブギウギ】野生のパワーを力強く歌い踊るスズ子(趣里)。歌の力は、やはり強かった

「ブギウギ」第96回より(C)NHK

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趣里主演のNHK連続テレビ小説(通称「朝ドラ」)『ブギウギ』の第20週「ワテかて必死や」が放送された。

ついに完成し、<ブギの女王、ここに誕生です!>というナレーションで高らかに前週を締めくくった「東京ブギウギ」。20週目は本格復帰し、さらなる進化をとげたスズ子と「東京ブギウギ」の大ヒットの様子を描いた明るいエンタメ展開を楽しめるのかと思っていたが……。

<スズ子の歌声は日本中に響き渡り、戦後の混乱の中、先行きの見えない多くの日本人に生きる勇気と希望を与えることになったのです>

「東京ブギウギ」の大ヒットしている様子はこのナレーションであっさりまとめられ、もう新曲、次の曲はいつできあがるのかという段階になっていた。エンタメ描写的にも一番盛り上げたいところかと思っていただけに、数話、または1週とばしてしまったかと思ったほどだ。

戦後の混乱期、多くの人に生きる勇気と希望を与えたスズ子と「東京ブギウギ」という圧倒的な光。しかしそういった光が強いほど、ときに強い影を生み出すこともある。第20週で描かれたのは、そのコントラストのようなものだった。

まず現れたのは、有楽町界隈の路地裏で客をとり社会問題にもなっていた“パンパンガール”(街娼)のリーダー的存在「ラクチョウのおミネ」(田中麗奈)。週刊誌のゴシップ記者による「ワテはパンパンの味方でっせ」という誇張記事に腹を立て、「福来スズ子ってのはあんたかい?」と、スズ子の楽屋にどなり込んできた。

それにしても、「しらばっくれるんじゃないよ!」「あたいらを甘くみたら承知しないよ!」「あんたらにアタイらの気持ちなんかわかりゃしない」「ヤキ入れてやるよ!」

なんだろう、おミネ含め、パンパンガールたちのハッタリかます感じ、この既視感、と思いながら見るうちに、はたと気づく。そうだ、昭和のドラマのスケバンの感じだ! 

なつかしの大映ドラマや昭和の学園ドラマでよく見られたスケバン、ツッパリの台詞回しみたいなのである。なんなら「3年B組金八先生」で三原順子(現・三原じゅん子)が演じたスケバンの「顔はヤバいよ、ボデイやんな!」という名ゼリフまで思い出してしまった。

自分もそうだが、ドラマの製作陣で当時を実体験している人はおそらく存在しないと思う。戦後まもないころの彼女たちの実際の空気感がどうだったかを知ることはなかなか難しそうなだけに、演技プラン、演出プランがどこか昭和のスケバン感になっていったといったところだろうか。

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