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料理研究家・枝元なほみさん「人と比べないと心に決めたら、人の目が気にならなくなりました」【前編】

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ゆうゆう編集部

50代でホームレス支援、60代でフードロス削減に取り組み始めた料理研究家の枝元なほみさん。「世間的なことを気にしたら、やってこられなかったかもしれない。人と比べないと心に決め行動するうちに、いつしか人にどう言われるかなんて一切考えなくなって。これからはもっと好き勝手にやっていきます」と枝元さんは笑顔で言い切ります。

お話を伺ったのは
料理研究家 枝元なほみさん

えだもと・なほみ●1955年神奈川県生まれ。
明治大学卒業後、「転形劇場」劇団員、無国籍レストランのシェフを経て87年に料理研究家として活動開始。自由な発想で次々にオリジナルレシピを生み出すと同時に、気さくで芯の通った人柄で人気を博す。
ビッグイシュー基金共同代表。農業支援団体チームむかご代表理事。

休みが好きになって午前中は自分時間に

「焼きそば、食べませんか? 時間も時間だし、うちのお茶請けはお菓子よりこっちかな……」

スタッフを招き入れると、枝元なほみさんはオープンキッチンに直行し、中華鍋に火を入れ直した。急に寒くなった日の午後1時。

細い乾麺をゆで、オイスターソースとナンプラーで調味した焼きそばが湯気を上げている。隠し味は、たっぷりの紹興酒につけた干し帆立貝柱だ。かまぼこ、根三つ葉、小えび……具は何日か前の撮影の残りだとほほ笑む。撮影はおせち料理?

「これ、かけたほうが絶対おいしいから」

輪切りにした生の青唐辛子をつけた、お酢の入ったガラス瓶が差し出される。 

「お酢は小さなメーカーの仁尾酢というもので、取り寄せてます。一生このお酢でいく、と思ってます」

昔ながらの製法で、湧き水と米を原料に、杉樽で熟成したお酢だとか。

おいしい、おいしいと夢中で焼きそばをほおばるうちに、その場がまるで女子会みたいな、何ともゆるりとした雰囲気になっていく。

「家にいることが増えてから、何かすごい休みが好きになって。午前中は自分のための時間になりました」

冷蔵庫にあるものでさっと作る「中華風焼きそば」。しょうががきいたお茶に、本格的焼きそばで心も体もぽかぽかに。

おいしい隠し味。まろやかな仁尾酢と、隣は干し帆立貝柱を紹興酒につけたもの。

卵麺、えび入りの乾麺を常備している。「細麺で、のびにくいの」

新たな習慣もできた。起床してすぐ、アロマオイルを使った全身マッサージを行う。血流がよくなったところで、ネットフリックス配信の10〜20分の瞑想ガイドに従って、瞑想をして呼吸を整え、心を落ち着ける。

それから、一杯のスープを飲む。

「キャベツ、玉ねぎ、にんじん、かぼちゃを皮ごと水で煮て作るハーバード大学式野菜スープです」

植物が紫外線や害虫などの外敵から身を守るために作り出す、天然の機能性成分・ファイトケミカルがたっぷり含まれていて、体を健やかに保つ効果があるそう。

「ほんとは野菜ごと食べろといわれているんだけど、私はこして汁だけを飲んでいます。栄養素が汁にとけた後の野菜は味が薄くなるので、濃い味つけのカレーや肉みそに入れてるんだけど、ひとりじゃ食べ切れない。だから若い人が来れば、カレー食べない? 持ってかない?って」

部屋の中にはほのかに植物系のいい香りが漂っている。

「アロマオイルを焚くのも日課になりました。その日の気分でいろいろ調合するのも面白くて」

たばこはきっぱりとやめ、今はエッセンシャルオイルの香りを楽しむ。

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