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【実例】クリスマスローズ愛好家の庭Part2|白や紫の落ち着いた花色の花壇&和の植物とクリスマスローズが心地よく

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園芸ガイド編集部

クリスマスローズ愛好家の方々の庭を見せていただく第2回です。23年前に出会って1株から大切に育てたという島田文代さんと、こぼれダネでふえた株が早春の庭をにぎわせている、熊澤良彦さん。手作りの構造物が庭と一体化して本当にすてきです。おふたりの庭を見せていただきましょう。

【実例】クリスマスローズ愛好家の庭Part2|白や紫の落ち着いた花色の花壇&和の植物とクリスマスローズが心地よく

2月下旬から咲き始め、花盛りとなる3月中旬。クリスマスローズ中心でも異なる色や形の混種で、華やかなシーンに。

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【実例】早春の訪れを告げる 落ち着いた花色の花壇

島田文代さん(千葉県)

【ガーデンデータ】
庭の広さ:約80㎡
庭年齢:9年
クリスマスローズの株数:65株

プレゼントの画集で23年前に出会った花

以前の住まいは都心の高層マンションで、植物もベランダで育てていた島田さん。庭のある今の家に引っ越す際、植物もいっしょに移ってきました。その中のひとつがクリスマスローズです。

「この花に魅せられたのは23年ほど前です。娘がこんなすてきな花があるのよ、と画集をくれたのがきっかけでした」

当時はまだ流通量も少なく、高価で手に入れにくかったクリスマスローズ。やっと1株だけ手に入れて大切に育てたそうです。

それから時がたち、今では65株ものクリスマスローズが庭を彩ります。モチノキの株元から小道に沿うように花が咲く3月は、ムスカリなどの球根花も加わりにぎやか。

アーチのバラの芽吹きもこれからの3月。枕木の小道沿いはクリスマスローズが満開。反対側にはニゲルの花も。

庭の奥から見た多種のクリスマスローズが植えられた花壇。しゃがんで低い位置から眺めたくなります。

「昔に比べるとだいぶ種類がふえました。この花の魅力は、凛としながらもうつむきぎみに咲く風情。落ち着いた色合いも好きな理由のひとつです」

満開になるころには、水を張った器に摘みとった花を浮かべて。庭に咲くのとは違ったアレンジを楽しみます。

クリスマスローズとともにローメンテナンスな庭を

引っ越してきた当初からあったウッドデッキを小さめに変更したり、サザンカの生垣をとり払ったりと、自分好みに庭に手を加えてきました。

粘土質だった土も堆肥をすき込んで土壌改良しました。庭のところどころでポイントとなっているディスプレーデスクや小屋などは、DIYが得意な娘さんが製作したものです。

ウッドデッキのテーブルの上には鉢植えのクリスマスローズが。「特にお気に入りは鉢で育てて間近で花を楽しみます」

「植物の好みは一貫していて、花色は白や紫が主です。華やかすぎるのは苦手なので、赤やオレンジ色の花はほとんどないですね」

庭も9年たち、自分の年齢も考えて、これからは「できるだけ手はかからずに効果が上がる庭」にしたいそうです。

「その点でも、花が美しく常緑のクリスマスローズをふやしていけたらと思っています」

島田さんのお気に入りの花たち。ダブルのがく片の裏が濃いピンク。落ち着いた色合いでシック。

さわやかなダブルのグリーン系のがく片に赤いスポット。

がく片の外側は濃い紫、内側は緑。うっすらとピコティーも入ります。

極細のピコティーが繊細な白花。ダークネクタリーも目を引きます。

【実例】 サクラがつくる木陰にクリスマスローズが広がる緑豊かな庭

熊澤良彦さん(兵庫県)

【ガーデンデータ】
庭の広さ:約50㎡
庭年齢:25年
クリスマスローズの株数:約200株

こぼれダネで増えた株が早春の主役

急坂が続く住宅街に、ひときわ高くそびえるサクラが目印の熊澤さんの庭。樹齢60年のサクラやマキ、ツバキなどの和木に、ハナミズキやジューンベリー、つる性のモッコウバラやジャスミンなどが絡まる、緑がちの日陰の庭です。その足元には、小波のように咲き広がるクリスマスローズが。

サクラの大木と緑の木製フェンスが目を引く。パーゴラにはキモッコウバラ。

十数年前、リタイアを機に本格的な庭づくりを始め、和の庭を洋の庭にリフォーム。ギボウシやハラン、シダやスゲの葉ものに、ケマンソウやヒメフウロなどの山野草、ハナニラなどの小球根で構成した「木と葉と野山の花を少し」の庭に。既存の和木は、洋の庭向きに仕立て直して残しました。

そのころに植え、こぼれダネでふえにふえたのがクリスマスローズ。

「好みより半日陰向きという点を優先し、数株ずつあちこちに植えておいたら、いまやクリスマスローズだらけに。丈夫で手間いらず、私のめざした庭にぴったりです」

下部を刈り込んだ古いツバキの足元にガーデンハイブリッドのクリスマスローズがあふれ咲いています。

手作りの構造物で庭をつないで一体化する

公道に沿った木製フェンスが同色のパーキングエリアやパーゴラと連なるように続いています。おしゃれでほどよく開放的、かつ機能的で、向こうにすけて見える緑の庭とともに、心地よい景観を生み出しています。これらの構造物はすべてデザインから製作、設置まで元工業デザイナーの熊澤さんの手によるもの。

4月中旬。芽吹き始めたサクラやハナミズキの下は、クリスマスローズのほかに、フッキソウ、ハラン、ユキノシタ。

スタンダード仕立てにしたツバキ2本でアーチに。フェンスの先は駐車スペース、右はコンサバトリー。

フェンスの足元の植え込みに広がるクリスマスローズ。ハナニラ、ニオイスミレ、ブルンネラ、エリゲロン、ギボウシなどといっしょに。

「デザインというのは、周りとのバランス。和の植物を洋の構造物とつなげたり、暮らしに不可欠な駐車場も、庭の一部として演出しています。でも味のある木製品も寿命は10年ほどですので、植物の成長ぐあいやサイクルを見ながら、順次作り直しが必要です」



※この記事は『クリスマスローズの咲く庭づくり』主婦の友社編(主婦の友社)の内容をWeb掲載のため再編集しています。

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