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【大奥7話】悲しく美しい純愛の物語 綱吉編が閉幕。吉保(倉科カナ)の思いは届かずに

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田幸和歌子

そんな中、綱吉の命を狙う刺客が、夜伽の相手として送り込まれる。善政も世継ぎを作ることもできなかった自身の運命を嘆く綱吉を、右衛門佐は初めて抱く。大奥に入るまで、貧しい公家で「種付け馬」としてのみ生きてきた右衛門佐にとって、子をなす目的ではなく、ただ女性と床を共にすることこそ、人間としての誇りを感じられる幸せの時間だった。右衛門佐の「今の(閉経後の)あなたで本当に良かった」という言葉により、初めて本当に欲得なく自身を愛してくれる者に出会えた綱吉は、自身を縛りつけてきた「世継ぎを産むだけの役割」から解放され、父の希望に反する世継ぎを養子として迎える。

すがる父を振り払い、打掛を脱ぎ捨てた綱吉の晴れやかな笑顔が美しい。しかし、向かった先で、右衛門佐は病により、命を落としていた。

さらに塞ぎ込み、床に伏せる綱吉の命を奪ったのは、側近で幼少時から親しんだ柳沢吉保(倉科カナ)である。桂昌院との仲を知ってしまった綱吉はショックを受け、吉保を責め、以降、何があっても一生自分のそばにいること、裏切らないことを約束させた。

しかし、吉保が桂昌院を受け入れたのも、綱吉のそばにいるためだったこと、子どもの頃から綱吉に恋心を抱いていたことを涙ながらに打ち明ける。そんな吉保の思いに生涯気づくことのないまま、右衛門佐のみを欲得なしに関わってくれた人と語り、愛した綱吉。

最初は美貌と知性を兼ね備えた者たちの、欲望と野心に濡れた化かし合いに見えた「五代将軍綱吉・右衛門佐編」は、こうして閉幕。あまりに純粋で悲しく美しい純愛の物語だった。

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