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【親の介護】自分が頑張らなければと無理していませんか? 「抱え込まない介護」5つの秘訣

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ゆうゆう編集部

相手への思いや責任感が強い人ほど、「私が頑張らなければ」と思いがち。でも介護をひとりで抱えると、身も心も疲弊してしまうことに。では、どうしたらいいのでしょう。自らも介護経験をもつ介護ジャーナリストの小山朝子さんに、負担を軽減する秘訣を伺いました。

介護は長距離マラソンのようなもの。 ひとりで無理すると息切れしてしまいます

抱え込まない介護——。「そう聞くと抱え込む人が悪いように思われがちですが、それは違います」と小山朝子さん。

「昭和初期に生まれた親世代は『人に迷惑をかけてはいけない』と教えられてきた人たちも多く、『人さまには頼れない。介護サービスは受けられない』となりやすい。そんな親の気持ちをくみ、『私が介護せねば』と頑張っている人、頑張らざるをえない人が多いのです。つまり介護を抱える人は親の思いを重んじる人であり、責任感の強い人。だから介護を抱え込む人を悪者にしてほしくないし、抱えている人も『大変なのは自分のせい』などと思わないでくださいね」 

ただし、頑張りすぎたり、抱え込む介護が続いたりすると疲弊しやすいことも覚えておいてほしい。

「介護は終わりの見えない長距離走のようなもの。ひとりで全力疾走すれば、いずれは疲れ果ててしまいます。身も心も疲弊して相手に暴言を吐いたり、ネグレクト(放置)してしまったり、抱え込む介護を続けると虐待に発展することもあり、やがては介護するほうもされるほうもつらくなるのです」 

抱え込まない介護をするには、「介護保険のサービスを使ってみる」「見守り機器を利用する」など、負担を減らす工夫が必要だという。

「訪問介護などの介護サービスを利用するということはケアマネジャーやホームヘルパーなど他者を家に入れることになります。一対一の介護はお互い感情的になりやすい。人の目があると冷静さが保て、介護者も介護を受ける人も楽になりますよ」 

介護する人は疲労の蓄積だけでなく、自分の時間がなくなることでも不満が出てくる。
「趣味の時間をもつなど、介護の合間に自分のための時間をつくる工夫もしたいものです」 

心身の負担を軽減するには考え方の転換が必要だという。 
ひとつは親の老化を認めること。
「親が頑固」など介護している相手への不満を抱えている人も多い。
「老化で脳の前頭葉が衰えると『頑固な人はより頑固に』と性格が先鋭化することがわかっています。つまり頑固さは親のせいではなく、加齢による変化である、そう考えるとイライラが軽くなるのでは?」

「親ができることは本人にやってもらう」という割り切りも大事だ。
「『介護の予防につながる』と思って、何でも手を貸そうとしないこと。これが負担を減らす考え方です」 

母方の祖母を約10年在宅で介護した自らの経験から「介護の先にはご褒美も待っていますよ」と小山さん。
「介助をする前に、『これから着替えますよ』などと一声かけることで、要介護者は安心そうな表情を見せるなど、介護を経験しなければわからないこともたくさんありました。『介護は自分を成長させる』と思いましたね」

ストレスの原因を見つけて対応策を

介護福祉士として介護の現場もよく知る小山さんはこう話す。

「介護施設で働く仲間たちに話を聞くと食事、入浴、排せつなどの介助より、意外にも共に働く職員との人間関係に不満を抱いています。在宅の介護でも『きょうだいが見て見ぬフリをしていて不満』など、介助以外のことでストレスを感じている場合もあります。自分のストレスの原因を分析し、対応策を検討することが大切です」
 
介護はいつか終わりが来る。要介護者と共に過ごすことができるかけがえのない時間であることを胸に刻んでおきたい。

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