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【年金生活】のやりくりの目安は? 費目ごとに適正な支出額をファイナンシャルプランナーがアドバイス

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ゆうゆう編集部

老後資金からまとまったこづかいを取るのもOK

次は、年金暮らしのこづかいについてです。表1のこづかいは、「夫婦2人分」の金額になります。この金額を夫婦で分け合うわけですから、「こんなに少ないこづかいでは、出かけるのも難しくなる」と感じるかもしれません。とはいえ、こづかいは固定費ですので、家計簿内の金額程度に抑えておきたいところです。

月々のこづかいは増やしづらいですが、老後資金の貯蓄の中から「各自が自由に使える代わりに、底を突いたらそこまで」というまとまった額のこづかいを取り分ける考え方もあります。取り分ける金額は老後資金によっても変動しますが、1人10‌0万~300万円で考えるのがよいでしょう。

まとまった額のこづかいを取り分けるのは1回だけ。底を突いても追加はありません。そのため、どのような目的に、いくらくらい使いたいのかを検討したうえで、使うペースに気をつけながら、月々のこづかいを補填してはいかがでしょうか。

年間の赤字が多ければ月々の支出の見直しを

年金生活者の家計診断をしていると、年金での赤字を月に1万~2万円に抑えているご家庭が少なくないと感じます。赤字額が1万~2万円であれば、無理な節約をする必要はありません。年金生活で赤字が出るのは自然なことだからです。

ですが、月々の赤字は少なくても、固定資産税や自動車税などの各種税金、家電の買い替え費用や家の修繕費用、冠婚葬祭費、遠出する際のレジャー費などの特別支出が多いと、老後資金が減るペースは速くなります。

月々の赤字額の1年分と、年間の特別支出額を調べて、1年間に発生する赤字額を計算してみてください。その金額に95歳から現在の年齢を差し引いた年数分を掛けてみたとき、老後資金が不足しそうであれば、日々の支出や特別支出の内訳を見直す必要があります。日々の支出を見直す際は、前述のとおり、教養娯楽費、レジャー費、交際費のように、自分の意思でコントロールしやすい費目の支出額を抑えることから、手をつけるのをおすすめします。

●法制度などは、2023年8月末現在のものです。

※この記事は「ゆうゆう」2023年11月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。

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監修者

ファイナンシャル・プランナー

畠中雅子

ファイナンシャルプランナー(CFP®️)。新聞、雑誌、ウエブなどに多数の連載、レギュラー執筆を持つ。セミナー講師、講演、相談業務、金融機関へのアドバイス業務なども行っている。高齢者施設への住み替え資金アドバイスをする「高齢期のお金を考える会」や、ひきこもりのお子さんの生活設計を考える「働けない子どものお金を考える会」などを主宰。『70歳からの人生を豊かにする お金の新常識』(高橋書店)、『貯金1000万円以下でも老後は暮らせる』(すばる舎)、『病気にかかるお金がわかる本』(主婦の友社・共著)など、著書、監修書は70冊を超える。

ファイナンシャルプランナー(CFP®️)。新聞、雑誌、ウエブなどに多数の連載、レギュラー執筆を持つ。セミナー講師、講演、相談業務、金融機関へのアドバイス業務なども行っている。高齢者施設への住み替え資金アドバイスをする「高齢期のお金を考える会」や、ひきこもりのお子さんの生活設計を考える「働けない子どものお金を考える会」などを主宰。『70歳からの人生を豊かにする お金の新常識』(高橋書店)、『貯金1000万円以下でも老後は暮らせる』(すばる舎)、『病気にかかるお金がわかる本』(主婦の友社・共著)など、著書、監修書は70冊を超える。

ゆうゆう2023年11月号

「健康寿命を延ばす食事と暮らし」を大特集。おしゃれなライフスタイルを発信している柏木由紀子さんと、健康長寿のコツは「3つのショク(食・職・触)」という樋口恵子さんにお話を伺いました。さらに、「ポスト更年期」の女性の体とのつき合い方、体と頭を強くする食事術、健康寿命を延ばす歩き方について、専門家がアドバイスをいたします。いつまでも健やかに暮らすためには、正しい知識と日々の積み重ねが何より大事。「そのうち」ではなく、今日から! この特集をお役立てください。

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お話を伺ったのは、断捨離提唱者のやましたひでこさん、生活評論家の沖 幸子さん、精神科医のTomyさん。Tomyさんはおっしゃいます「本当に大切なもの以外はなくていい。手放せば手放すほど、心はラクになっていく」と。何を手放し、何を残すか。イメージトレーニングしてみるのもいいですね。

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