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【大奥】正弘(瀧内公美)が最期の瞬間も満足したように見えたのは、夢を託すべき家定(愛希れいか)に出会えたから

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田幸和歌子

江戸時代の男女逆転の世界が描かれる、NHKドラマ10「大奥」のシーズン2も、豪華キャストからも目が離せません。シーズン1に引き続き、数々のドラマレビューを執筆するライター田幸和歌子さんに語っていただきます。
※ネタバレにご注意ください

【大奥】正弘(瀧内公美)が最期の瞬間も満足したように見えたのは、夢を託すべき家定(愛希れいか)に出会えたから

ドラマ10「大奥 Season2」17 回より(C)NHK

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【大奥】薩摩から迎える御台所 胤篤は福士蒼汰!まさかの再登場で注目が集まる

男女逆転の江戸パラレルワールドを描いた、よしながふみの人気漫画『大奥』を原作に据えたドラマ10『大奥Season2』の第7話が11月14日に放送された。

薩摩から、家定(愛希れいか)の正室として輿入れしてきた胤篤(福士蒼汰)。薩摩からの回し者として警戒していた瀧山(古川雄大)だが、その美しい容姿に圧倒される。「顔形になど惑わされぬ」と言い張っていた家定も、思わず見惚れてしまうほど。

しかし、迎えた新婚初夜。体が弱いため、今後も子は設けないと主張する家定。すると胤篤は、文句の一つも言わずに承諾する。あまりのあっさりさに家定は拍子抜けしてしまうのだった。

掴みどころのない胤篤に心配する瀧山の一方で、家定は徐々に距離を縮めていく。

その理由は、家定の聡明さに感服した胤篤が、親和的な姿勢を示してきたためだった。薩摩はもはや水戸を介さずに将軍家と直接手を組むのが最善と判断したと説明する胤篤。皆の予想通り、薩摩の狙いは政に喰い込むことだが、そのために自分を上手く使ってくれと言うのだ。

その後、正弘(瀧内公美)も胤篤と対面するが、少し話しただけで「御台とお似合い」だと判断する。元々、実の父から性的虐待を受けており、夫を作らないと決めていた家定に心開ける相手ができたことは、正弘にとってこの上なく嬉しいことだったのだろう。

そんな中、市中で異国船によって持ち来まれたコロリ(コレラ)が流行り始める。開国を勧めた正弘を、井伊掃部守直弼(津田健次郎)が責め立てる。

井伊家は家臣の中でも別格であり、直弼は女で老中を務める正弘を良く思っていなかった。国難を女の身で乗り切るなどと非難する直弼に、正弘は「あなたのようなお考えがこの国を滅ぼすのです」と切り返す。

もはや家格や性別に縛られる余裕はなく、この国難に立ち向かうために国中から人を求めている。それさえやり遂げられれば、いつでもこの座を退くと息巻く。

正弘の目指す世は、身分・出自に関わらず、国を導くに相応しい人物が舵をとる世だ。皮肉なことに、正弘が忠義を尽くす家定の存在が、正弘の目指す世界の障壁となってしまっていた。家定は、既にそのことに気が付いており、葛藤する。

その後、家定は胤篤と散歩をするようになり、弱かったはずの家定の体はみるみる丈夫になっていく。

その一方で、正弘は急病により体調を崩してしまう。瀧山が見舞いに行くと、家定は力なく笑いかけるのだった。
「広い空さえあれば、自分はどこまでも羽ばたいていけるものと考えておった。まさか己の翼が折れて飛べぬようになる日が来るなど……」と悔しさに涙を流す正弘。

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