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「不安に押しつぶされそうになったとき、この言葉が弱い自分の支えに」高橋大輔さんを変えたひと言とは?

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ゆうゆう編集部

日本の男子フィギュアスケート界に「初」の記録を数々もたらしてきた高橋大輔さん。そんな高橋さんを支えた言葉とは?

逃げ腰になったとき、気持ちが楽になったひと言

2010年、バンクーバー冬季オリンピックでの銅メダルや、同年の世界選手権の金メダルなど、日本の男子フィギュアスケート界に「初」の記録を数々もたらしてきた高橋大輔さん。一度引退するも復帰して好成績を残したばかりでなく、その後、村元哉中さんと組んでアイスダンスに転向。未知の分野にもかかわらず 3年で急成長を遂げ、23年の世界選手権では圧巻のパフォーマンスで日本歴代タイの11位に輝いた。

パイオニアとして道を切り開く勇気と行動力、勝負強さには並々ならぬものがあると思うのだが、意外にも、ここぞという場面では緊張したり、不安になったりすることが少なくないという。

「07年のシーズンの頃は調子がいちばんいいときで、滑れば表彰台、ということが続いていたんです。でも『今回も表彰台トップだね』と言われて周囲の期待が高まってくると、自分自身もそれを当たり前にしなくてはいけないような気持ちになって、逆に競技会の前はものすごく緊張するようになってしまったんです」

そんなある朝、テレビをつけたらあるベテランの女優さんが自身の体験談を話しているのが聞こえてきた。そしてその人がこう言ったのだった。「『神は乗り越えられる試練しか与えない』。そう思ったら気持ちが変わってきた」

「聞いたときにすごく納得したんです。実は僕、すぐ逃げ腰になりがちなんですが、そうか、この試練は僕が乗り越えなくてはいけないものだから今ここにあるんだな。結果が出る出ない、成功するかどうかは重要なことではなくて、たとえ結果が出なくても、この挑戦は後々、自分にとっての糧になるから与えられているんだな。そう思ったら気が楽になると同時に踏み出す力をもらえました。そもそも全くできないことだったら与えられていないんだと」

「神は乗り越えられる試練しか与えない」

好成績が続いていた2007ー2008シーズン。「滑れば表彰台」が当たり前という周囲の期待の前に極度の緊張を覚えるようになったときに、テレビから聞こえた言葉。競技前に思い出しては平常心を取り戻した。

若いときは、ただ目標に向かって一直線に進めたが、年を重ねるほど怖さも知っていく。年とともにできないことも増えていく。右膝の前十字靭帯断裂という大ケガもあり、焦ったときもあった。しかし、そんなときは諦めてその次に行く、という気持ちの切り替えもできるようになった。そう思わせてくれたのは、長年指導を受けてきた長光歌子コーチの言葉、「死ぬわけちゃうやん」だ。

「苦しいことがあっても乗り越えない。さっと諦めて次へ行く(笑)。それで死ぬわけじゃないから。そう思わせてくれましたね。大事なのは結果じゃなくて経験。選択肢はひとつではないし、自分を縛りつけないで先へ行ったほうがいいんだと」

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