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年金月5万円で生活する紫苑さんの、住まいとお金のストーリー。「節約は創造的な行為です」

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マチュアリスト編集部

今の自分、これからの自分にぴったりくる住まいを見つけた人たちの実例集『大人のひとり暮らし 住まいとお金』から、人気ブロガー 紫苑さんの話を2回にわたりお届けします。前編では、中古戸建てを購入し、年金月5万円の生活を決意した経緯をご紹介します。

PROFILE
紫苑(しおん)
1951年生まれ。地方新聞社勤務を経て、フリーライターとして30年以上活動。2020年3月、月5万円の年金受給とともに、節約生活の様子を綴ったブログを開始。おいしく健康にいい月1万円レシピや、リメイクおしゃれ、百均DIYなど、お金を使わなくても楽しめる工夫の数々を紹介している。著書に『71歳、年金月5万円、あるもので工夫する楽しい節約生活』(大和書房)、『72歳ひとり暮らし、「年金月5万」が教えてくれたお金との向き合いかた40 』(マガジンハウス)
https://blog.goo.ne.jp/sionnann

「不安」は向き合ってみると、案外乗り越えられるもの

地方新聞社の東京支社勤務を経て、フリーライターとして独立した紫苑さん。そのころの日本は好景気。老後の過ごし方やその資金繰りについての課題が社会問題として取り沙汰されることはなく、ましてや若いうちから老後のことを考えるなんてナンセンス。

「そんな潮流もあり、未来のことについては、どこかのんびりかまえていました。かといって生活に余裕があったわけではなく、今後いくら必要なのかを考え出すと意気消沈するばかり。そこであえて数字は見ず、目の前の仕事を黙々とこなすことで不安に打ち勝つしか策がありませんでした」

無我夢中で働き、気づけば60歳手前。子どもが無事に成人し、ホッとしたのもつかの間、目の前には、自らの老後問題が。

「今後の生活のために今までと変わらず働きたくても、取引先の人が転職したり、仕事をリタイアしたり。そんな外的要因で仕事が減り、収入も減り。当時、住んでいた都内の公団住宅(UR賃貸)の家賃13万円を払い続けることが、だんだん負担になっていったんです。私の年金受給額は月5万円。もしマンションを買ったとしても、この額では管理費や修繕費を払い続けることはできません。とすると、家賃を抑えられる地方の公団へ引っ越すか、格安の中古物件を購入するか……。

そんなときです。いつもの散歩道で〝売り家〟のチラシを見つけたのは。最初は手が出ない価格で売り出されていましたが、狭小住宅だったからか、どんどん安くなり、ついに現実的な金額に」

そのとき紫苑さんは64歳。安心して住める場所を確保するか、貯金という安心を手元においておくかを悩んだ末に、貯金をはたいて購入する道を選びました。

その後やってきた、新型コロナウイルスによるパンデミックで仕事はより少なくなり、ついに年金月5万円だけで生活することを決意。

まず、固定費を月ごとに算出してみると、ガス・水道・電気の光熱費が1万円、固定資産税・健康保険料・介護保険・NHK 受信料などの積み立て費が1万円、通信費が1万円で合計3万円。残った2万円が食費や生活費、医療費。そこで紫苑さんが立てた計画は、月の食費を1万円として、3食自炊すること。

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