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61歳【定年後の自分磨き】フリーアナウンサー吉崎典子さんの「失敗してもいいから、とりあえずやってみる!」

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ゆうゆう編集部

歌舞伎の魅力を伝えることがライフワークに

歌舞伎通で知られる吉崎さん。大の歌舞伎ファンになったきっかけはフジテレビ社員時代にある。

「アナウンス室には、みんなで歌舞伎を観に行くという文化がありました。それをリードしてくださったのが、先輩アナウンサーの野間脩平さんと、フジテレビ役員だった故・塚田圭一さん。塚田さんは『歌舞伎イヤホンガイド』の解説者であり、『密着!中村屋ファミリー』というドキュメンタリー番組の監修も務めていました。そんなご縁もあり、今は亡き中村勘三郎さんが終演後に合流して一緒に食事してくださったり、『今日の舞台はここが見どころだったんだよ』とお話ししてくださったりと、夢のような贅沢な時間を過ごすことができて、私はすっかり歌舞伎の沼にハマったんです」

忘れられないのは21世紀を迎える記念すべきミレニアムの年越し。日本で一番日の出が早い千葉・九十九里浜の海岸で、初日の出をバックに勘三郎さん・勘九郎さん・七之助さんが親子連獅子を踊るという壮大なイベントが開催され、吉崎さんは司会を務めた。

「その日は夕方から年越しのカウントダウンまで土砂降りの雨。それが、午前3時頃に勘三郎さんが現れるとパーッと晴れて、星が瞬き始めたんです。午前6時すぎ、ミレニアムの初日の出をバックに毛振りを観たときは、本当にゾクゾクしました」

それ以来、一ファンとして勘三郎さんを追いかけ、国内はもちろん海外の公演にも足を運んだ。歌舞伎好きが高じて、舞台の進行に合わせて演目のあらすじや見どころを教えてくれる「歌舞伎イヤホンガイド」の解説も務めるように。

「亡くなった塚田さんから、『あまり歌舞伎に詳しくないけれど観るのは好き……というお友達の、隣に座って静かに話しかけるように解説したらいいですよ』というアドバイスをいただきました。教えて差し上げるなんていう気持ちはサラサラありません。一緒に観て楽しんで、何かわからないことがあったら、いいタイミングで自然に耳に入ってくる……そんな音声ガイドを目指したいと思っています」

吉崎さんを夢中にさせる歌舞伎には、どんな魅力があるのか。
「勘三郎さんはお会いすれば芝居の話ばかりしていらっしゃいましたが、息子さんたちも同じように一所懸命なさっています。そして今度は勘九郎さんの息子さん2人が、親の芸を観て学んでいる。歌舞伎はこうやって受け継がれる伝統芸能なんだということを目の当たりにして、本当に素晴らしいと感じています。だから、もっと多くの方に生の歌舞伎の舞台を観てほしい。そのためにイヤホンガイドの解説をしたり、巡業のトークコーナーのお手伝いをしたり、私にできることを続けていきたいと思っています」

歌舞伎は 不滅のエンターテインメントです!

「2007年、中村屋のニューヨーク公演を着物姿で観に行きたいと思い、着付けを習い始めました。着物は意外とかさばらないから旅行に便利。それに海外で着物を着ると『写真撮らせて』とモテモテです(笑)」

昨年10~11月、4年ぶりに浅草で開催された平成中村座。もちろん吉崎さんも観劇に。

「2カ月連続での新作歌舞伎の興行。勘九郎さん・七之助さんが新しいことに挑戦する姿にエネルギーをもらいました」

INFORMATION
『中村勘九郎 中村七之助 春暁特別公演2023』

3月6日(月)の東京・北とぴあ さくらホールを皮切りに、23日(木)の愛媛・松山市民会館 大ホールまで全国12カ所で行われる中村屋の巡業公演。素顔の勘九郎さん・七之助さん・鶴松さんが楽しい話に花を咲かせる「トークコーナー」では吉崎さんが司会を務める。「巡業に同行できるのは本当に幸せ。ご縁に感謝しています」

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