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樫山文枝さんに聞く、伴侶を失ってからの生き方「ひとりでいる夜の時間、テレビを見ながらつい、話しかけてしまいます」

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ゆうゆう編集部

果てしなく自由で孤独で。 なかなか慣れません

舞台が始まると、役に没頭するあまり周囲のことが見えなくなってしまう。また地方の公演で、家を空けることも少なくなかった——そんなご自身を「いい奥さんではなかった」と、振り返る。

とはいうものの、夫婦で過ごすプライベートな時間は大切にしていた。
「彼が待っているから早く帰らなくちゃ、彼が戻ってくるまでにこれだけはやってしまおう、なんてね。ふたりで暮らしていれば、そんなふうに何かと制約されるものですよね。でもね、今はぜーんぶ自由なの。だらけた生活にならないように、自分を律していくのがけっこう大変。ひとりの時間を確保するために、あれこれやりくりしていた頃が懐かしいくらいです」

夜、もて余した時間にテレビをつける。夫が好きだった野球や将棋のニュースが流れると、「WBC、日本が優勝してよかったわね」「藤井聡太さんはやっぱりすごいわね」と、つい話しかけてしまう。
「今は果てしない自由と果てしない孤独の真っただ中にいるような気がします。なかなか慣れないですね」

そんな樫山さんを気遣ってか、自宅周辺の「ご近所さん」たちが、よく声をかけてくれるようになった。
「周りに、ひとり暮らしの女性がたくさんいらっしゃるんです。この間は90歳の方が『元気? 私は毎日ハッピーよ!』って(笑)。別の70代の方からも、『1日1回は外に出ないとね』と。皆さんにはとても励まされて、元気をもらえますね」

結婚したのは1974年の12月。綿引さんは樫山さんより4歳年下で、劇団の後輩。

生前、「自分は女優・樫山文枝の一番のファン」と語っていた。

「性格は正反対でしたね。それがかえってよかったのかも」

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