私らしく生きる 50代からのマチュア世代に

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更年期で働くのがつらいけれど、子どもの学費のために仕事を辞められない。坂東眞理子さんのすっきり人生相談

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ゆうゆう編集部

相談②
私、むつかしい人?ダメ出しをしがち

ほめるのが苦手です。坂東さんの書籍『女性の覚悟』で、年齢を重ねたら「ほめ上手になりましょう」とありましたが、家庭でも職場でも、ついダメ出しをしてしまいます。自分のことをほめられても、素直に受け入れられません。職場では頼りない人が多くて、どこをほめればいいのやら、です。この性格、直したほうがいいですか?(54歳・正社員)

相手を好き嫌いで判断せず、自分にしてくれたことだけポイント加算をして

原点ではなく加点で評価

年齢を重ねて経験を積むと、他人に対して目が肥えてきます。自分はこれまで努力して頑張ってきたという自負もあるので、相手に対しても要求水準が高くなり、「この人は全然頑張っていないじゃないか」「だからこの程度のことしかできないのよ」などと思ってしまいがち。その結果、周囲から「むつかしい人」と思われ、敬遠されてしまうことが多いものです。

でも、50代以降は人のよいところを見つけるべきだと私は考えます。人の長所を見つけてほめることで信頼関係が生まれ、評価が高まります。それは目に見えない「無形資産」。この無形資産が多いほど、心豊かに暮らせます。

日本ではまだ定着していませんが、海外企業で増えているのが「ピア・ボーナス」。仕事においてよい働きや感謝される行動をした人に報酬を贈るという評価制度です。評価の際は相手の人格や好き嫌いで判断せず、具体的なしてくれたことにポイントを与えます。実際、職場では減点評価をされるより加点で評価されるほうがモチベーションが上がりますよね。だから相談者も周りの人のよいところを見つけ出し、加点主義で評価してみましょう。

ただし、人のよいところは意識しないと見えません。減点部分には目をつぶり、「今日はこの人のよいところを見つけよう」と決心して意識的に努力を。口に出してほめるのが苦手ならば、心の中で「ここがよかったわね」と加点してあげましょう。

また、心に届くほめ言葉をもらったら、素直に「ありがとう」と受け入れることも大事。「ありがとう」を習慣にすることが「むつかしい人」から抜け出すための最初の一歩です。

他人のよいところを見つける習慣がつく「ピア・ボーナス」とは?

同僚の「peer(ピア)」と報酬の「bonus(ボーナス)」を組み合わせた言葉。日常の親切や貢献について、従業員同士がポイントや報酬を与え合う仕組みのこと。業績に直結しない日常の行為が評価され、ほめられるため、従業員のモチベーションを上げる効果がある。

※この記事は「ゆうゆう」2023年9月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。

女性の覚悟

坂東眞理子著
主婦の友社刊

「50代、60代はまだまだ若い。可能性はいくらでもある。けれど責任をもって生きていくという覚悟が必要です」という坂東さんのエールがぎゅっと詰まった一冊。すぐにも実行できる、しなやかに人生を生き抜くための方法やヒントがいっぱいです。

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