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【らんまん】そんな万太郎に「いくつになっても子どもっぽうて」と呆れ、笑いつつ、決意を肯定するのは、やはり竹雄(志尊淳)だった

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田幸和歌子

朝ドラを見るのが1日の楽しみの始まりとなっている人、多いですよね。数々のドラマコラム執筆を手がけている、エンタメライター田幸和歌子さんに、NHK連続テレビ小説、通称朝ドラの楽しみ方を毎週、語っていただきます。より深く、朝ドラの世界へ!

【らんまん】そんな万太郎に「いくつになっても子どもっぽうて」と呆れ、笑いつつ、決意を肯定するのは、やはり竹雄(志尊淳)だった

「らんまん」第120回より(C)NHK

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【第23週のらんまん】寿恵子の大冒険は、万太郎との夫婦の関係性をさらに深化させるものだった気がする

長田育恵作・神木隆之介主演のNHK連続テレビ小説『らんまん』の第24週「ツチトリモチ」が放送された。

物語もいよいよ終盤。旅立ちや、懐かしい人との再会、新たな出会いが描かれた中、気になるのは現代に通じる不穏な空気が流れていること。

日本全国の植物を載せた図鑑が完成しようとする中、万太郎(神木)は不安に駆られていた。図鑑の版元はまだ見つからず、本当に人々から必要とされているのかどうか、自分を支えてくれた寿恵子(浜辺美波)や虎鉄(濱田龍臣)の思いに応えられるのか自信が持てなかったのだ。

そんな中、竹雄(志尊淳)と綾(佐久間由衣)のもとに、藤丸(前原瑞樹)がやって来る。外国では、アルコールの発酵が清酒酵母によるものだと発表されていると藤丸は言う。蔵の神様が住んでいる、女が蔵に入ると酒が腐ると言われていた「迷信」を科学が解き明かす——綾の苦しみを救い、と同時に得体の知れない存在に怯えていた時代を塗り替える、科学のロマンだろう。

一方、万太郎のもとには、南方熊楠という人物から、「新種在中」として標本が送られてくる。それは新種ではなかったが、中には120年周期で開花するハチクの花もあった。開花後、竹林が一斉に枯れ、新しい竹林が再生すること、「人の世に異変が起こるとき」とも言われていることに寿恵子は怯える。戦争によって繁栄する人々の熱気と、踏みにじられる多くのモノと——。今、まさに世界のあちこちで起こっている衝突・侵略・戦争の気配とも通じる恐ろしい描写だ。

そして翌年2月、日露戦争が勃発。渋谷の町に大練兵場が作られ、交通の要所となったことで、人々は浮かれる中、寿恵子は不安げな表情で木の切り株に視線を落とす。

その頃、熊楠は神社合祀令で森の木が伐採され、井戸も濁ることに憤り、植物保護の観点から反対運動を始めていた。

熊楠はあちこちに熱のこもった手紙を送りつけており、植物学教室にも手紙が届く。万太郎も受け取っていると知ると、徳永(田中哲司)は深入りするなと釘を刺す。しかし、熊楠と共同研究することを決めた野宮(亀田佳明)からの手紙により、万太郎は植物保護への思いを強めていく。森が次々に伐採される中、反対運動が起こっている現実とも見事に重なる展開である。

そんな中、寿恵子の店に、ある人物がやってくる。その人物は、かつて自由民権運動をしていて、万太郎を救った早川逸馬(宮野真守)だった。

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