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【らんまん】カラー化した震災当時の映像が差し込まれる、緊迫感ある描写。NHKの技術力を見た

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田幸和歌子

朝ドラを見るのが1日の楽しみの始まりとなっている人、多いですよね。数々のドラマコラム執筆を手がけている、エンタメライター田幸和歌子さんに、NHK連続テレビ小説、通称朝ドラの楽しみ方を毎週、語っていただきます。より深く、朝ドラの世界へ!

【らんまん】カラー化した震災当時の映像が差し込まれる、緊迫感ある描写。NHKの技術力を見た

「らんまん」第125回より(C)NHK

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【第24週のらんまん】そんな万太郎に「いくつになっても子どもっぽうて」と呆れ、笑いつつ、決意を肯定するのは、やはり竹雄(志尊淳)だった

長田育恵作・神木隆之介主演のNHK連続テレビ小説『らんまん』の第25週「ムラサキカタバミ」が放送された。

モデルとなる牧野富太郎が90年超の長い人生を送ったのに対し、本作の主人公・万太郎(神木)は残り2週の段階で60代に。白髪が増え、眉はまばらになり、皮膚には加齢や日焼けによると思われるシミが増え、背も少し丸くなった。見事な加齢の表現であふ。

一方、子どもたちは立派に成長し、千歳(遠藤さくら)は、引退するりん(安藤玉恵)から長屋の差配人を引き継ぎ、虎鉄(濱田龍臣)と結婚。二人の子で万太郎たちの孫・虎太郎(万太郎の幼少期:森優理斗の再登場)も誕生する。

そんな寂しさも伴う幸せな歴史の傍ら、万太郎は神社合祀で失われようとしているツチトリモチを保護するため、ツチトリモチの原稿を書こうとしていた。これは国の命令に背く行為であるため、大学を辞めようと思っていることを寿恵子(浜辺美波)に打ち明ける。すると、寿恵子と子どもたちは万太郎の思いを支持。日本中の植物を全て明らかにし、図鑑を出すという万太郎の願いは、いつしか槙野家みんなのものとなっていた。

そんな中、万太郎はツチトリモチを載せた「日本植物誌図譜」を刷り、論文も書き、徳永教授(田中哲司)に辞表を渡し、深々と頭を下げ、大学を去るのだった。

そこから月日は経ち、1923年9月1日。図鑑が完成し、印刷所に入れる段階で、突然大きな揺れが発生する。関東大震災だ。

本棚が揺れ、標本が滑り落ち、家屋が倒壊するリアルさ。これは状況的にほぼ一発撮りだったのだろうか、非常に緊迫感のある映像となっていた。加えて、カラー化した関東大震災の当時の映像も差し込まれるのが、NHKの技術力。NHKでは今年2月5日に「カラーでよみがえる!大河ドラマ第1作」として『花の生涯』をAI技術でカラー化して放送しているが、今後力を入れていく技術の一つが昔の映像のカラー化なのだろう。

また、NHKスペシャル『映像記録 関東大震災 帝都壊滅の三日間』(9月2、3日)で関東大震災直後にモノクロフィルムで撮影された映像を8Kスキャンの上、カラーした映像が流れたが、それを意識した部分もあったのだろうか。

標本を救い出そうとする万太郎を、寿恵子も子どもたちも最初は止めるが、結局、みんなで標本を守り、大学へと避難することに。しかし、泣き叫ぶ子ども、火事場泥棒なども出現する大混乱で、寿恵子は渋谷への避難を提案。

一方、虎鉄がいる神田の大畑印刷所では、火事が発生し、元火消しの大畑(奥田瑛二)が町の人たちの協力のもと、消火に漕ぎつける。

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