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韓国リメイク版「愛していると言ってくれ」。大人だからこそできる恋に、素直に憧れる5~8話レビュー【韓国ドラマ】

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marumi

1995年に放送された「愛していると言ってくれ」(脚本:北川悦吏子)。豊川悦司と常磐貴子の珠玉のラブストーリーに夢中になったマチュア世代のみなさんは多いことでしょう。この大ヒット作品の韓国リメイク版がディズニープラスで独占配信中です。チョン・ウソンとシン・ヒョンビンが演じる大人の恋の描写が楽しみですね。全16話の作品の5〜8話のレビューをお届けします。
※ネタバレにご注意ください

★1〜4話のレビューはこちら★

韓国リメイク版「愛していると言ってくれ」。チョン・ウソンの表情がいい! 1〜4話レビュー【韓国ドラマ】

モウン(シン・ヒョンビン)が代役として急遽、抜擢された主演舞台。セリフが聞こえない舞台を最後まで見届けてくれたジヌ(チョン・ウソン)に、モウンは「あなたは私の声でなく、私の気持ちを聞いてくれる。あなたは私にとって、“居心地のいい人”です」と伝える。

一緒に歩いたり、目を見つめて対話したり、ふと目に留まったものを楽しんだり、笑ったり……。そんな何気ない時間を丁寧に紡ぎ、「声でなく気持ちを聞く」ことで深まる“居心地のいい”恋。そして、映画を思わせる映像美。大人だからこそできる恋に、素直に憧れ、沼るしかない5~8話だ。

クライマックスは、モウンが胸に仕舞った思いをジヌに伝える海辺のシーンだ。セリフもない端役で呼ばれた空港でのロケ現場を、客室乗務員としてキャリアを積む友人に見つかるモウン。落ち込むモウンに、ジヌは「海を見に行きませんか?」と誘う。

焚火を囲み、向かい合ってチェアに座る2人。幼いころに聞いた音の記憶を辿っているのだろうか、打ち寄せる波をじっと見つめていたジヌの横顔が、モウンの正面に向き直った瞬間だった。手話で「好きです」と告白するモウン。聞こえていた波の音が消え、静寂が2人を包む。

「僕がその気持ちを受け入れていいかわからない」「手話しかできないけれど、それでもよければ……」「モウンさんの好きなことを一緒にしよう」——ジヌが手話で、モウンから目をそらさずに気持ちを伝え続ける約2分間。気づくと、見ているこちらも音のない世界に引き込まれていることに驚く。

聴覚障碍者を演じるチョン・ウソンは、声で意思や感情を表現することが許されない役どころだ。俳優としては、演技の大きな武器を失って闘っているようなもの。にもかかわらず、表情や眼差し、仕草の一つひとつで、感情がごく自然に伝わってくる。味わったことのない幸福感に満ちた視聴体験。チョン・ウソンが日本版の版権を買い取ってまで、ジヌを演じたかった理由がよくわかる。

特筆すべきは、2人でスイカを食べる場面。「スイカの手話はどうやるの?」とモウンに聞かれたジヌは、くし形に切ったスイカを手に、ハーモニカでも吹くように食べる仕草をする。その様子があまりにもチャーミングで、モウンでなくても、「惚れてまうやろ」と、ひとり突っ込みを入れたくなる。

そして、「聞こえない人」と「聞こえる人」の恋、という重くなりがちなテーマが深刻にならないのは、主役2人の周囲にいる人々の楽しくあたたかいキャラクターのおかげだ。

たとえば、孤児院で子ども時代をともに過ごし、いまはバーの店主を務めるジヌの親友ホン・ギヒョン(ホ・ジュンソク)。ジヌが縁で聴覚障碍者の妻と結婚したギヒョンは手話が達者で、心許せる唯一の相談相手だ。「“愛している”って言葉も、(健常者ではない)僕は申し訳なくて、とても言えない」と、募る思いに臆病になるジヌに「愛しているからお互いに支えあえるんだ」と、妻とののろけ話を肴に背中を押す。

モウンのルームメイトで、アートセンターで働くオ・ジユ(パク・ジンジュ)。恋に前のめりなイマどき女子だが、モウンの気持ちの変化に真っ先に気づき、真摯に寄り添う。一見するとお茶目でおっちょこちょい、だが内面はナイーブな役どころをナチュラルに演じるパク・ジンジュの芝居の上手さが、ドラマのハートウォーミングな側面を引き立てている。

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