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韓国リメイク版「愛していると言ってくれ」。2人の映像が絵画を見ているかのようでひたすら美しい9~12話レビュー【韓国ドラマ】

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marumi

1995年に放送された「愛していると言ってくれ」(脚本:北川悦吏子)。豊川悦司と常磐貴子の珠玉のラブストーリーに夢中になったマチュア世代のみなさんは多いことでしょう。この大ヒット作品の韓国リメイク版がディズニープラスで独占配信中です。チョン・ウソンとシン・ヒョンビンが演じる大人の恋の描写が楽しみですね。全16話の作品の9〜12話のレビューをお届けします。
※ネタバレにご注意ください

★5〜8話のレビューはこちら★

韓国リメイク版「愛していると言ってくれ」。大人だからこそできる恋に、素直に憧れる5~8話レビュー【韓国ドラマ】

「以前は何か話さなければ、と不安だった。でも、いまは心で理解できるようになったみたい」―― モウン(シン・ヒョンビン)がそう感じるほどに深まったジヌ(チョン・ウソン)との愛。夜更けに誰にも邪魔されず浸りたい、大人のヒーリング・ラブストーリーだ。

モウンを演じるシン・ヒョンビンは、セリフを話しながら、覚えたての手話でジヌと対話する、という難しい役どころ。だが、ジヌのうっとりするような眼差しを、透明感のある美貌で真正面から受け止めていて、思わず息を飲む。そして、うらやましい。

だが、2人の周囲の歯車が動き始めることで、新たな苦悩が生まれる9~12話。「幸せって?」と考えるきっかけをくれる。

まず、ジヌの聴覚障碍者向け絵画教室に、いじめられている場面に遭遇した高校生・テホが訪ねてくる。“聞こえない”生徒たちの教室に、たった一人の“聞こえる”テホ。自分が少数派になり、サポートを受けたことで知ったのは、聞こえない不便さよりも、聞こえる自分の弱さやつらさだった。

テホは女子生徒に尋ねてみる。「もしチャンスがあったらどんな音を聞いてみたい?」。答えは「音を聞いたことのない人は、何かを聞いてみたいとは思わない」。“聞こえない”生徒たちの、ピュアで屈託ない笑顔に癒される。

そして、「聞こえないのも悪くない。場合によっては聞こえたほうが傷つくこともあるから」とテホに語るジヌ。「聞こえる=幸せ」「聞こえない=不幸せ」では、決して割り切れない。それは、ジヌが孤独や偏見を味わって辿り着いた心境なのだろう。

そんな折、ジヌの元カノ・ソギョン(キム・ジヒョン)が、自らが館長を務めるアートセンターでジヌの個展を企画する。モウンはジヌの絵が世に知られることを喜ぶ一方で、ソギョンがジヌとよりを戻そうとするのでは、と気が気ではない。

だが、ジヌは正直にモウンに告白する。ソギョンとは昔、長い間つき合っていたこと、別れて7年間は山中のコンテナで絵を描いて過ごしたこと、暴風雨ですべての絵を失ったことーー。慰めるモウンにジヌは、「家族、聴力、そして好きな人、いつも僕は何かを奪われている気がしてつらかったし、悲しかった。でも、(自分で描いた絵さえも)最初から僕のものじゃなかった。そう受け入れてまた立ち上がれた」。きっと、初めての個展を開くことは、ジヌにとってリスタートの証しなのだろう。

一方、ソギョンは個展の準備に奔走する日々の中で、ジヌへの溢れる思いが抑えられなくなっていく。大学時代、あれほど愛したジヌを自分から置き去りにしたにもかかわらず、だ。

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