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【身近な人が亡くなったとき】通夜、葬儀、告別式で喪家のすることとは?50代から心得ておきたい冠婚葬祭の常識

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マチュアリスト編集部

身内を亡くしたら、悲しむだけでなく、きちんとお見送りすることが大切です。喪家としてすべきこと、通夜から葬儀・告別式、火葬までの流れを知っておきましょう。大人だからこそ、しきたりの意味を知って、きちんと見送りたいですね。現代礼法研究所主宰の岩下宣子さんに教わります。

こちらもあわせてどうぞ。 【身近な人が亡くなったとき】通夜までに決めるべきこととは?50代から心得ておきたい冠婚葬祭の常識

通夜の準備と進行

まず喪主を決めます。喪主は一般的に、故人の配偶者、故人の子ども(長男、長女)、親、きょうだいの順に検討します。

葬儀社に連絡し、通夜と葬儀の日程を決めます。通常、翌日に納棺して通夜、翌々日に葬儀・告別式としますが、式場、火葬場、暦の問題などから、この通りではないことも少なくありません。

葬儀の予算と場所、弔辞や世話役の依頼

最近では葬儀一式を葬儀社にまかせることが多くなりました。葬儀社の費用はセット料金になっている場合がほとんどです。見栄を張らずに、分相応の葬儀を心を込めて行う傾向にあります。日程が決まったら、弔辞の依頼、当日の世話役、受付、進行係などをお願いしますが、弔辞以外は葬儀社で行ってもらうことが多くなりました。

会葬礼状と返礼の準備

会葬礼状は、本来は葬儀・告別式の会葬者に、後日送るものでしたが、現在は、通夜、葬儀・告別式の当日、受付で渡すのが一般的です。

礼状の定型文が用意されていますが、喪主が自由に書いてもかまいません。返礼品は、通夜のあとの通夜ぶるまいに出ない弔問客に渡すことから始まりましたが、最近では、通夜の弔問客全員に会葬礼状とともに渡します。

返礼品の手配は葬儀社に依頼しますが、ハンカチやタオル、お茶やのりなどが多く用いられます。

祭壇の飾り方を確認。15分前には着席

僧侶が到着したら、祭壇の飾り方、供物の位置などを確認してもらい、控室に案内して通夜の打ち合わせをします。確認事項は、
・祭壇のととのえ方は正しいか
・通夜、葬儀・告別式の進行
・通夜ぶるまいを受けてくれるか
です。

供花は棺に近いほう、上方の目立つところが上位で、左右に分けて並べます。近親者のものは血縁の濃い順、そのほかは、故人と関係が深かった順に並べます。供えてくれた方に失礼がないように、喪主や世話役代表がチェックしましょう。

通夜での席次は右の図を参照してください。拝礼や焼香は故人に近しい人から順に行うので、この席次が重要です。

通夜の間は、僧侶や司会者の案内に従って、故人と親しい順に拝礼や焼香をします。遺族以降の焼香の順などは葬儀社の人が指示してくれるので心配ありません。祭壇の前に立ち、焼香が終わった弔問客には、黙礼して感謝の気持ちを伝えます。

僧侶にあいさつをし、参列者の通夜ぶるまいに

通夜が終わったら、僧侶にあいさつをし「御車代」を渡します。僧侶が通夜ぶるまいに出ないときは「御膳料」も必要です。

参列者は通夜ぶるまいへと案内します。ただし、最近は感染のリスクを避けるため、通夜ぶるまいを行わない選択が増えています。

通夜ぶるまいを行わない場合は、喪主あいさつのときにその旨を述べておわびをしましょう。通夜ぶるまいのかわりとして、折り詰めと酒のセットなどを持ち帰ってもらったり、食事券や食品のカタログギフトなどを渡すという方法もあります。

葬儀・告別式の準備と進行

通夜が終了したら、喪主と世話役代表は葬儀社を交えて、葬儀・告別式の式次第について打ち合わせます。

チェックポイントで特に重要なのは、焼香や弔電読み上げの順番です。また、火葬場に同行する人は、通常はそのまま還骨法要に参列し、精進落としに参加します。人数を把握し、車の大きさや、火葬場での軽食、精進落としの数を調整しましょう。

告別式が終わると棺を祭壇からおろし、棺のふたを開けて最後の対面をします。喪主、遺族、近親者、親しい友人、知人など、故人と縁の深い順に棺に花を入れ、遺体のまわりを飾ります。これが「別れ花」です。

最後の対面が終わると棺にふたがされます。火葬場で小窓からもう一度、故人の顔を拝むことができますが、姿を見るのはこれで最後なので、遠慮せずに存分に別れを惜しみます。

棺は、遺族、近親者、親しい友人など男性6人ほどで霊柩車まで運びます。式場から霊柩車まで離れているときは、喪主が位牌を持って先頭に立ち、喪主に次ぐ遺族が遺影を持って続き、棺を先導します。

火葬場へは、霊柩車が先頭になって向かいます。位牌を持った喪主、遺影を持った遺族が乗りますが、僧侶が同行するときは一緒に乗ります。そのほかの同行者は、お供車(マイクロバスなど)に乗ります。

「火葬許可証」も必ず確認を。

火葬場で納めの式を行い、骨揚げでは2人1組で

火葬場に到着したら、僧侶が同行する場合は、炉の前に小さな祭壇をしつらえ、読経と焼香を行う「納めの式」を行い、棺を炉に納めます。

火葬には1〜2時間かかるので、控室で待機します。

火葬がすんだら骨揚げを行います。故人と関係の深かった順に、2人1組で下半身から箸で骨を拾い、骨壺に入れます。この世からあの世への橋渡し(箸渡し)の意味があります。

そのあと係員が骨壺を箱に入れ、「埋葬許可証」を渡してくれます。埋葬に必要な書類なので忘れずに受けとり、きちんと保管します。

遺骨迎えと還骨法要と精進落とし

火葬後の遺骨が自宅に戻ったら、遺骨迎えをし、後飾りの祭壇の前で僧侶にお経をあげてもらい、遺族や近親者全員が焼香をする還骨法要を行って、葬儀・告別式がすべて終了です。

還骨法要と初七日は合わせて行うのが一般的です。その後、精進落としの会食で、僧侶や出席者の労をねぎらいます。



※この記事は『50代からの冠婚葬祭きちんとマナー』岩下宣子監修(主婦の友社)の内容をWeb掲載のため再編集しています。

※2023年8月14日に配信した記事を再編集しています。

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監修者

現代礼法研究所主宰

岩下宣子

共立女子短期大学卒業。全日本作法会の内田宗輝氏、小笠原流の小笠原清信氏のもとでマナーを学ぶ。1985年、現代礼法研究所を設立。多数の企業や公共団体などでマナーの指導、研修、講演、執筆活動を行う。NPO法人「マナー教育サポート協会」理事長。『美人のことば練習帖』(三笠書房)、『40歳までに知らないと恥をかく できる大人のマナー260』(KADOKAWA)、『書き込み式おつきあいを大切にする安心メモリー帖』(池田書店)、『冠婚葬祭マナーの新常識』(主婦の友社)など、著書、監修書多数。

共立女子短期大学卒業。全日本作法会の内田宗輝氏、小笠原流の小笠原清信氏のもとでマナーを学ぶ。1985年、現代礼法研究所を設立。多数の企業や公共団体などでマナーの指導、研修、講演、執筆活動を行う。NPO法人「マナー教育サポート協会」理事長。『美人のことば練習帖』(三笠書房)、『40歳までに知らないと恥をかく できる大人のマナー260』(KADOKAWA)、『書き込み式おつきあいを大切にする安心メモリー帖』(池田書店)、『冠婚葬祭マナーの新常識』(主婦の友社)など、著書、監修書多数。

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