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ブレイディみかこさんを勇気づけた3つの言葉とは?「苦境に負けないためには自分を愛すること、 そして自分へのリスペクトが不可欠です」

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ゆうゆう編集部

ベストセラー作家・ブレイディみかこさん。貧しかった時代に出合い、ブレイディさんを勇気づけた言葉について、お話を伺いました。

日本が好景気に沸いた時代、貧しさの中にいた

イギリス南部の都市ブライトンに暮らして27年。現地の「元底辺中学校」に通う息子の日常を描いた『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』が大ベストセラーとなったブレイディみかこさん。自身も地元福岡で、「ヤンキー校」と呼ばれる中学校に通っていたという。

「荒れた学校だったけれど、私も含めて貧乏な家庭の子が多くて、居心地はよかったんです。ところが高校で進学校に入ったら、あまりに環境が違ってびっくり。全員が前を向いて座って、黒板を見て、同じような姿勢でノートをとって……『みんなロボットみたい』って(笑)」

1980年代前半、日本人の多くがバブル景気に向かって、豊かさの階段を駆け上っていた。

「一億総中流意識で、貧乏なんてダサいっていう時代。私は貧しくて、いづらさを感じていました。大学進学もあきらめていました」

そんなとき読んだのが、瀬戸内寂聴(晴美)の評伝『余白の春 金子文子』だった。金子文子は大正時代の思想家で、十分な証拠もないまま大逆罪で起訴され、獄中で死亡。まだ23歳だった。

「感銘を受け、学校のそばの古本屋で文子の本を探して読みあさりました。その中に『わたしはわたし自身を生きる』という言葉があり、当時の私の心を支えてくれました」

「わたしはわたし自身を生きる」

大正時代、親に虐待され、戸籍もなく、小学校にもまともに通えなかった金子文子。
「自らの力で思想を体得していく姿に勇気をもらいました。瀬戸内寂聴(晴美)による、文子の評伝『余白の春』もおすすめ」

自分の人生を生きるにはどうすればいいのか。出した答えは「イギリスで暮らす」ことだった。

「イギリスのロックが大好きだったんです。労働者階級のことが歌詞によく出てきて、『ワーキングクラスはかっこよくてクール』って歌ってくれた。イギリスでなら貧乏でもダサくない、自分のことを隠さなくても生きられる、私はこの国に行くんだ!って決意しました」

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