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清水ミチコさんの〝あきらめる力〞「老いだって、笑えばネタに。60代を迎え、いい意味で力が抜けラクになってきました」

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ゆうゆう編集部

憧れるのはいつも上機嫌な人

年齢を問わず、清水さんが憧れる人に共通しているのは、いつも感情が安定していて、ニコニコしていることだという。

「人に気を使ってニコニコしているのではなくて、自分で自分の機嫌を上手にとれるということなんです。ひとりでいてもきっとニコニコしているんじゃないかと思うような」

人がどう思うかは関係ない。ある程度、自分中心になったほうがいいというのもそこにつながるのかもしれない。清水さん自身は自分の機嫌をどのようにとっているのだろうか。

「私は持ち前の顔がニコニコしていないんですけど、そういう心理状態にもっていけることに憧れます。それで毎朝、今日は一日、とにかく怒らないでいようとか、クヨクヨしないでいようとか、ベストな一日にするぞとか、そんなふうに思うことにしています。実は10年ほど前に父が亡くなり、窓際に遺影を置いたんですよね。そこに手を合わせるときに、自然にできた習慣です。効果のほどはどうでしょうね。いい影響がある気はしています」

60代。マルチな活躍をする中で大事にしてきたライブ。「驚いたり笑ったり、感情を共有できるのが最大の魅力。力を抜いてみんなで一つになる……昔はそんなこと言うタイプじゃなかったんですが」

夢中になることをこれからも追い求めて

エッセイの名手でもある清水さん。学生時代から、友人に言われた言葉や、本で読んだ言葉をノートにメモしているという。

「メモにしろ、エッセイにしろ、書くことが好きで。文字にすることで考えがまとまったり、自分を客観視できたりということが多いですね」

最後に、最近メモした言葉を教えていただいた。

「養老孟司さんが幸せについて書いていたんです。自分にとって何が幸せかって、案外わからないもの。養老さんは昔から虫が大好きで、虫を捕まえては研究や解剖に没頭していて、そのときは無我夢中だったけれど、何年も経ってから、あのときが幸せだったんだとわかったという。だから幸せを捕まえようとしないで、夢中になれるものを探すほうが近道だと。そのとおりだなと思いました」

ゆうゆう世代でも「推し活」がブーム。誰かを好きになり応援することで、生き生きとしている人も多い。

「いちばん幸せそうなのって韓流推しの人のような気がしませんか。だから私も韓流スターを好きになろうと、あれこれ見たことがあったんです。でも、それにも才能がいるのか、ダンスや歌がうまいイケメンが私にはどうにもピンとこなくて。自分に何の才能があるか、知っておくのは大事ですよ。私はやっぱりユーミンさんとか矢野顕子さんとか、女性が好き。その音楽を楽しむ才能があって、幸せになれるのでよし、です」

PROFILE
清水ミチコ
しみず・みちこ●1960年、岐阜県生まれ。86年にライブデビュー。テレビ、コンサート、CD制作、YouTubeチャンネル「清水ミチコのシミチコチャンネル」など多方面で活躍中。毎年の日本武道館単独公演も恒例になっている。著書に『カニカマ人生論』(幻冬舎)、『まるい三角関係 三者三様おしゃべり三昧』(中央公論新社)など。

※この記事は「ゆうゆう」2023年6月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。

ゆうゆう2023年06月号

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